2019年5月28日火曜日

投資初心者が留意すべきリスク管理のための6つのヒント

何かを獲得しようとすれば、多かれ少なかれリスクが伴うのは当たり前である。投資(トレード)においても同様、必ずリスクが伴う。本記事ではリスクを最小限に抑える方法(リスクマネジメント)について、解説してある。

適切なリスク管理を行うことで、損失に対する心理的なストレスを抑え、快適なトレードを実践していただきたい。


1.リスクに対する許容範囲

リスクに対する許容範囲は、人によってさまざまである。ある人は2%の損失まで許容できたとしても、0.5%の損失までしか許容できない人もいる。

従って、もし2%の損失が心理的に負担となるなら、1%まで許容範囲を下げる必要がある。しかし、1回のトレードにおいて3%以上のリスクを取ることはおすすめしない。たとえ、それがストレスになっていないとしても、リスクは2%以下に抑えるべきである。

ましてや1回のトレードで10%のリスクは、度を越している。毎回10%のリスクを取り続けたら、いつか必ず退場が待っている。

2.リスク取り過ぎのサイン

ポジション(建玉)の量に比例してリスクは増大していく。よって、1回のエントリーで建てるポジション量が少なくても、それが複数回積み上がればより多くのリスクを摂ることになる。

知らぬ間にリスクを取り過ぎていることがあるので、全体のポジション量には十分に配慮すべきである。

投資初心者は、『資産を早く増やしたい』という思いが強い余り、大きなリスクを取りがちである。しかし、トレードにおいてもっとも重要なのは、『相場で生き残ること』である。小さな損失を嫌がって、ポジションを塩漬けにするのは、リスクを蓄積しているのと同じである。

もし、相場が気になって夜中に目が覚めるようなら、リスクを取り過ぎている嫌いがある。仕事中も気になって何度もチャートを見てしまうのも同様だ。

そんな兆候があるならば、ストレスを感じないレベルまでポジションサイズを小さくするべきである。

3.マーケットの連動性に配慮

マーケットは相互に影響し合いながら動いている。例えば、日経平均株価とドル円の間に
は相関関係がある。つまり、ドル円が上がれば日経平均株価も連れ高となる傾向がある。

つまり、ドル円をロングしていて、さらに日経平均先物(日経225)をロングしている場合、自分の思惑と反対方向に相場が動いたら損失は2倍以上になる。つまり、リスクを2倍(またはそれ以上)取っていることになるのだ。

このような状況を避けるためには、リスクヘッジを行うのが良い。リスクヘッジとは、相場が想定外の動きをしたときの「保険」の役割を果たす。例えば、先物市場において現物と逆のポジションを保有すればリスクをヘッジしたことになる。

つまり、リスクヘッジはマーケットの連動性に着目したリスクマネジメントの一つなのだ。

4.スケーリング

スケーリングとは、ポジションを分けて取得することである。

例えば、許容できるリスクを2%だとする。その場合、100ドルで2%のリスクを取るのではなく、100ドルと105ドルで1%ずつのリスクを取る方法である。もし、相場が思惑と反対方向へ動いたとしても、1%のロスカットで済むことになる。

また、ストップロスを2つ目のポジション(上の例の場合105ドル)の近くに移動させることで、リスクを限定することが可能となる。これはトレーリングストップと呼ばれている手法である。詳細は以下の記事を参考にしていただきたい。

2%のリスクを0.5%ずつに分散させることで、さらにリスクを抑えることができる。この場合も既述したように、トレーリングストップを併用すると良いだろう。

5.メンタルエグジット

ポジションを取るのと同時にイニシャルストップをセットする。イニシャルストップは通常エントリーポイントからかなり離れた場所に置いている。従って、イニシャルストップでのエグジットは最悪のシナリオである。

大抵の場合、サポートラインを上抜け、もしくはレジスタンスラインを下抜けしたときに、イニシャルストップをトレンドライン近辺まで移すことになる(サポートラインのすぐ下側、もしくはレジスタンスラインのすぐ上側)。

つまり、値動きを確認した上でストップロスを動かすのだ。もちろん、エントリー前の段階でこれらの状況も踏まえてストップロスの場所を想定済みであることは、言うまでもない。



6.狭すぎるストップロス

ストップロスを狭くすることで、1回のトレードで取れるポジションサイズを大きくすることができるため、そのようなトレードを好むトレーダーがいる。

しかし、このようなトレーダーは、相場が自分の思惑通りに動くことを第1に想定している。つまり、リスクを最優先に考えてトレードをしていないのである。

このやり方では、ロスカットの確率も上がるので、特にボラティリティの高い相場では損失が積み上がっていく可能性が高い。

自分があらかじめ決めたストップロスの割合(例;2%)を常に守り、毎回同じ条件で粛々とトレードすることが大切である。


リスクをコントロールすることにより、トレードの際のストレスを軽減させることができる。利益を得ることを考える前に、まずは損失を回避する手法を確立することが大切である。

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