ボリンジャーバンドとは、FXや株取引のテクニカル(チャート)分析において使われるインジケーターである。
ボリンジャーバンドは、単純移動平均線(SMA)からの2つの標準偏差(プラス/マイナス)をラインで示したものである。John Bollingerによって開発されたインジケーターである。
上のチャートは20日SMA(移動平均線)からの2標準偏差(±2σ)を示したボリンジャーバンドである。
価格変動が大きく(ボラティリティの増加)なると、ボリンジャーバンドは拡張し、逆に価格変動が小さく(ボラティリティの減少)なると、ボリンジャーバンドは収縮する。
l ボリンジャーバンドは、John Bollingerによって開発されたテクニカル分析のインジケーターである。
l ボリンジャーバンドには3本のラインがある。それらは、短期の移動平均線(真ん中のライン)、標準偏差(+/-)である。
l テクニカル分析では、20日SMA(単純移動平均線)からの2標準偏差(±2σ)が使われることが多いが、数値を変えることもできる。
ボリンジャーバンドの使い方
ボリンジャーバンドの設定
ボリンジャーバンドの設定で最初に決めなければならないのは、単純移動平均線である。通常、20日SMA(単純移動平均線)が使われることが多い。20日SMAは、直近20日間の終値の平均値を示している(1日目から20日目までの終値の平均値、2日目から21日目までの終値の平均値・・・をラインでつないだもの)。
次に決めなければならないのは、標準偏差である。標準偏差とは、「平均値からの距離」のことである。言い換えれば、「データの散らばり具合」のことである。データの散らばりが大きければ標準偏差の値も大きくなる。
テクニカル分析では±2σを使うことが多い。値動きが±2σ内に収まる確率は95%である。従って、価格が±2σのラインにタッチした場合、95%以上の確率で反転することになる。
ボリンジャーバンドを使って得られる情報
収縮期と拡張期
収縮期は、+2σのラインと-2σのラインが接近している状態のことを言う。このとき、全ての移動平均線は収束し、ボラティリティも減少している。
従って、収縮期は近い将来ボラティリティが増加することを示唆している。つまり、エントリーチャンスが迫っているということになる。
この逆が拡張期である。拡張期ではボラティリティが増加している。拡張期の初動でエントリーし、拡張期が最大になったところでエグジットするのがもっとも理想的なトレードである(しかし、なかなかうまくいくものではない)。そして、拡張期が終われば再度収縮期が訪れる。
しかし、ボリンジャーバンドはエントリーやエグジットのタイミングを教えてくれるインジケーターではない。単に値動きの状態を教えてくれるだけである。つまり、チャートの状況を俯瞰するのに役に立つインジケーターなのだ。
ブレイクアウト
値動きが±2σの中に納まる確率は95%である。しかし、先述したように、これは売買シグナルではない。多くのトレーダーが犯す間違いは、価格が±2σの外側にブレイクアウトしたとき、直ちにエントリーを執行してしまうことである。
ブレイクアウトからは、『トレンドの強さ』を知ることができても、価格推移を予測することは不可能である。
ボリンジャーバンドの限界
ボリンジャーバンドで知ることができるのは、値動きのボラティリティだけである。
開発者のJohn Bollingerも、ボリンジャーバンド単独ではなく、他のインジケーターと併用することを勧めている。ボリンジャーバンドと特に相性の良いインジケーターは、MACDやRSIなどである。
また、単純移動平均線も20日SMAだけでなく、トレードする通貨や株の特徴を十分に検証した上で最適なものを活用することをお勧めする。
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